自動方向探知機:Automatic Direction Finder

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ここでは、FAA自家用操縦士学科試験問題の中から、質問の多い問題を解説しています。

 

今回は、ADFに関する問題です。

例題

68. PLT014

ADF8
ADF8

(Refer to figure 31, illustration 8.) If the magnetic bearing TO the station is 135°, the magnetic heading is

A) 135°.
B) 270°.
C) 360°.

 

日本語訳

68. PLT014cPVT
(図31イラスト8参照)
局への磁方位が135°の場合、磁針路は次のどれか

 

解答

C) 360°.

解説

問題の解き方

MB=RB+MH    という公式を使います。

ADF_compass
ADF_compass

MB=局への磁方位 (Magnetic Bearing to the Station): 無風の時、この磁方位に向かって飛行すれば局に到着できる。
RB=自機を基準とした局への方位 (Relative Bearing to the Station) :ADFの指示を読み取った値
MH=磁針路 (Magnetic Heading) :飛行機の磁石が示す方向

問題の数値を公式に当てはめると、

135=135+MH

MH=135-135

MH=0

解答: 磁針路 000 (360)

 

 

予備知識

ADF (Automatic Direction Finder)について:
ADFは電波を送信している局(NDB局)への方向を指針で指示する計器です。
AMラジオと同じ周波数帯(中波)を使用しています。アンテナの指向性を利用したもので、手動でアンテナの向きを変える方向探知機に対して、電波の強さに応じて自動的にアンテナの向きを変化させるようになっています。

使い方の例として、下記チャートのPETIS(397Khz) という局に周波数を合わせると、モールス信号で局のID(SB)
が聞こえます。

NDB_PETIS
NDB_PETIS

・・・(S)
ー・・・(B)

アメリカでは、モールス符号の後に英語音声で、”PETIS NDB”と送信してくれる場合もあります。

パイロットは正しいNDBを受信したことをこれで確認することが出来ます。

局を受信すると同時に計器盤のADF指示器の針が動き、局の方向を指します。
ADFのダイヤル(アジマス:Azimuth)は、真上が0 (360)、右真横が090、真後ろが180、左真横が270となっています。(ダイヤル固定式の場合)

図31の8では、135を指針が示しています。
これをRB135 (Relative Bearing 135)といい、航空機の機首を基準(ゼロ)とした場合の、局へ向かう方位です。

図31の8の状態で、飛行機が磁針路000 (360)で飛行している場合、機首を135になるように右旋回すれば、
局への磁針路(Magnetic Heading to the Station)となります。

図31の8の状態のとき、もしも飛行機が磁針路090 (東)で飛行している場合、磁針路をいくらにすれば、局へ向かうことが出来るでしょうか?

東の針路090からさらに時計回りで135°方向に局があるので、090+135=225の方向となります。
先ほどの式に当てはめると、

MB225=RB135+MH090

参考

無風の時は、ADFの針を真上に合わせて飛行するとNDB局に向かって飛行することが出来ます。
局を通過するとADFの針は反転し真下を向きます。

左からの横風がある場合

ADF_tracking
ADF_tracking

ADFの針を真上(RB000)に維持して飛行すると、飛行機はコースに対し右に流されながら、磁針路が徐々に左方向に変化します。
このようにして局へ向かうことをホーミングと言います。

横風があるとき、局へ最短距離で飛行するためには、横風の方向に機首を向ける(クラブを取る)必要があります。

例えば、右の図で風が西方向270から吹いているとき、航空機がNDB局へ340のコース上を飛行する場合、左に10°クラブをとりMH330で飛行すると、MB340のコース上を最短距離で局に向かうことが出来ます。
このようにして局へ向かうことをトラッキングと言います。

このとき、ADFの指示は010になっています。

まとめ

ADFの中には、この問題のようにアジマスが固定のもの、パイロットが任意に目盛を回転させることが出来るもの(MBを計算しなくてよい)、さらにはアジマスがコンパスと連動していて目盛を回転する必要すらないものがあります。

前述のように中波帯を使用しているため、ラジオのAM放送を受信して、発信電波塔に向かい飛行することも可能です。

ADFは局への方向を矢印で示してくれるので使い方は一見簡単そうですが、横風があるときにホーミングを行った場合、直線のコースにはならず最短距離で局へ向かうことが出来ません。

最短距離で向かおうとする場合は上記のようにトラッキングで飛行する必要があります。