ここでは、FAA自家用操縦士学科試験問題の中から、質問の多い問題を解説しています。
今回は、航法に関する問題です。
例題
40. PLT198 PVT
If a true heading of 135° results in a ground track of 130° and a true airspeed of 135 knots results in a groundspeed of 140 knots, the wind would be from
A) 019° and 12 knots
B) 200° and 13 knots
C) 246° and 13 knots
日本語訳
40. PLT198c PVT
真針路135°で飛行しているとき、結果として、航跡が130°となった。また、真対気速度は135ノットであったが、対地速度は140ノットであった。この場合予測される風向・風速は次のどれか。
A) 風向019° 風速12ノット
B) 風向200° 風速13ノット
C) 風向246° 風速13ノット
解答
C) 風向246° 風速13ノット
解説
考え方
真針路(TH)が135°で、航跡(TR)が130°の場合、航空機は左に流されているので、風は右側から吹いています。
また、真対気速度(TAS)が135ノット、対地速度(GS)が140ノットなので、追い風を受けていることがわかります。
選択肢Aは、左からの向かい風なので誤りです。
選択肢Bは、右65°からの向かい風なので誤りです。
選択肢Cは、右111°からの追い風なので、これが正解となります。
フライトコンピューターを使用して、風向・風速を求める方法
フライトコンピューターでは、航跡(TR)を真航路(TC)に、航跡(TR)と真針路(TH)の角度を偏流修正角(WCA)と読み替えて計算します。
1.True Indexに航跡130を合わせる。
2.スライダーを動かしてグロメット(中心のハトメ)にGS140ノットの弧線を合わせる。
3.WCA(偏流修正角)+5の線とTAS135ノット弧線の交差位置に鉛筆でウインド・ドットを付ける。(下図の矢印)
4.ウインド・ドット(鉛筆で付けたマーク)をスライダーの中心の線と合致させる。(下図の矢印)
5.グロメットからウインド・ドットの間隔(13ノット)が風速となる。
6.True Indexの表示(248)が風向となる。
上記でWCA+5°とは、航跡130°に対して機首が135°なので、右側(+)に5°偏流修正角を取っているという意味です。航跡は、地面に描かれた航空機のコース(TC)ともいえるので、そのコースを飛行するため、右からの風に対して機首を5°右に向けて修正すると考えるとわかりやすいと思います。
航法計画を行うとき、真対気速度(TAS)と予想される風から、偏流修正角(WCA)とGSをフライトコンピューターで計算(裏三角形を作図)しますが、今回はその手順を逆にして風向と風速を求めています。