ここでは、FAA自家用操縦士学科試験問題の中から、質問の多い問題を解説しています。今回は、空域に関する問題です。
例題
18.PLT393
What action should a pilot take when operating under VFR in a Military Operations Area (MOA)?
A) Obtain a clearance from the controlling agency prior to entering the MOA.
B) Operate only on the airways that transverse the MOA.
C) Exercise extreme caution when military activity is being conducted.
![MOA_Chart](http://www.faatestbook.com/blog/wp-content/uploads/2019/08/MOA_Chart.png)
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日本語訳
18. PLT393c PVT
有視界飛行方式(VFR)の条件下で飛行中、軍事作戦空域(MOA)内ではパイロットはどのような行動をとるべきか
A) MOA 区域内に進入する前に管制機関から許可を得る
B) MOA を横断する航空路上のみを飛行する
C) 軍事活動が行われているときは、最大限の注意を払う
解答
C) 軍事活動が行われているときは、最大限の注意を払う
解説
空域(エアスペース)は4のタイプに分かれていて、それは管制空域、非管制空域、特別使用空域およびその他の空域です。
MOA(Military Operations Area)は、特別使用空域の一つで、他の特別使用空域として禁止区域(Prohibited Area)、制限区域(Restricted Area)、警告区域(Warning Area)、警戒区域(Alert Area) 、そして火器管制区域(CFA)があります。
航空図上のMOAはマゼンタ(紫色)の帯で囲まれた区域で、MOAの名称が明記されています。(下図参照)
![MOA_Legend](http://www.faatestbook.com/blog/wp-content/uploads/2019/08/MOA_Legend.png)
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![MOA_Chart](http://www.faatestbook.com/blog/wp-content/uploads/2019/08/MOA_Chart-1.png)
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軍事作戦区域(MOA)
MOAは、垂直方向および水平方向に一定の大きさを持つ空域で、軍隊の訓練活動と計器飛行方式の航空機との間隔をとるために設置されています。MOAが使用されているときはいつでも、ATCによって、IFRに必要な間隔を提供可能な場合、活動に参加していないIFRの航空機は、空域通過の許可をうけることが可能です。それ以外の場合は、ATCは新たなルートを提供するか、非参加IFR航空機の立ち入りを制限します。MOAは区分航空図、VFRターミナル図または低高度エンルート図に図示されていますが、名称は数字では表されていません。(例えば、Camden Ridge MOA)
またMOAは、区分航空図の枠外に、運用時間、影響する高度、管轄機関の詳細が表示されています。(下図参照)
例えば、下図のBronco 1 MOAでは、8,000FT MSL以上、FL180(気圧高度18,000)未満の高度で、07:00から20:00の時間内に、月曜日から金曜日の間、運用が行われています。管轄するATC機関は、Fort Worth Centerで、126.45, 132.6, 133.7, 316.1, 269.05, 350.2MHzの周波数でコンタクト可能です。
![MOA_details](http://www.faatestbook.com/blog/wp-content/uploads/2019/08/MOA_details.png)
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まとめ
MOAは、この空域の軍事訓練に参加している航空機と、IFR(計器飛行方式)の航空機の間に間隔をとって、安全を確保するために設けられています。従って、VFRの航空機はこの空域に入るためには、ATCの許可は必要ない代わりに、事前に軍事活動が行われていないかを確認し、軍事活動が行われている場合は、この空域を避けるか、または最大限の注意を払って飛行しなければなりません。
通常、MOAは広大な区域なので、迂回することは難しく、区域内で飛行する軍用機には、航空法が適用されていないため、例えば地上から数10メートルの高度を、200ノット以上の高速で飛行する場合があり非常に危険なため、MOAが活動している場合は、飛行計画を見直す必要があります。