パイロット訓練用 航法計算盤 フライトコンピュータ E-6B

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商品の概要

201604

英文説明書付属

米国JEPPESEN社製、Student CSG(E-6B)航法計算盤です。
カードボード製、特殊な厚紙に樹脂をコーティングした材料で作られていますので、 耐久性抜群!
落下させても壊れず、ぶつけても相手を傷つけません。
金属製に比べスケールが読み取りやすく、丈夫で安価なためパイロット訓練生に最適。 機能は金属製と同等です。

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スライド差替えにより広い速度域に対応

 

付属品
英文取扱説明書 58P 付属

サイズ
250mm×125mm 104g ,フルサイズE6B

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袋がジップロックなのでケースとして使用可

航法計算盤E6-B日本語マニュアル(PDF版)

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航法計算盤E6-B日本語マニュアル!(PDF版)

201603

ISO 9660 に準拠しています

どうして今まで無かったのか不思議!世界で最も普及しているフライトコンピュータの 日本語取扱説明書(新発売)

特徴

1.アメリカで操縦訓練を受ける人は必ず使用するフライトコンピューターの日本語解説書です。

2.インタラクティブなカラー図解により、独学でもE6-Bを楽々マスター出来ます。

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豊富な図解(計算盤面)

3.24の項目について詳細に解説。

4.セクションごとに練習問題を設けています。総問題数110問

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豊富な図解(ウインド・トライアングル)

5.単なるE6-Bの解説書にとどまらず、パイロットだけが知っている航法の勘どころを惜しげもなく披露しています。

6.CDケースとディスクで簡単なフライトコンピュータになっています。(デザインだけで実際の役には立ちませんが)

7.最近刺激が無いとお嘆きのフライトシミュレーターファンの方も、E6-Bをマスターして本格的な DEAD RECKONING(推測航法)で達成感のあるフライトをどうぞ!

アメリカ自家用パイロット学科問題集日本語訳・デジタル版(最新版)

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アメリカ自家用パイロット学科試験問題集・デジタル版(最新版)

アメリカでパイロットライセンスを取得するときに必要な学科試験問題集の原文および日本語訳です。
紙ベース(リングファイル版)の内容はそのままにお求め安い価格と検索機能の充実を実現しています。
商品の特徴:

1.米連邦航空局2011年6月公開の最新版(252問)、8月公開の追加問題(22問)、2012年3月公開の追加問題(16問)、
6月公開の追加問題(12問)および2013年1月~2014年6月公開の95問、2015年1月公開の180問、2015年6月~10月公開の180問、2016年2月~2018年10月公開の180問、2019年6月公開の109問、2021年8月公開の171問、合計1277問を翻訳しています。

2.英語と日本語訳を同時に確認できます。

しおりから各ページにジャンプします

しおりから各ページにジャンプします

3.巻末資料は高解像度で収録。

図表は高解像度で収録。印刷可。

図表は高解像度で収録。印刷可。

4.類似問題や参照図に瞬時にジャンプできます。

5.飛行機、ヘリコプター、グライダーなど全問題を収録。(カテゴリー対応表付)

6.付録として機種別デジタル参考書を収録しています。

7.2008年版過去問題集(694問)および2009年版(319問)も付属。実力を確認できます。

アメリカ連邦航空局自家用操縦士学科試験問題集(日本語訳)最新版

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アメリカ連邦航空局自家用操縦士学科試験問題集(日本語訳)最新版

アメリカでパイロットライセンスを取得するときに必要な学科試験問題集の原文および日本語訳です。

特徴:

1.米連邦航空局2011年6月公開の最新版(252問)、8月公開の追加問題(22問)、2012年3月公開の追加問題(16問)、
6月公開の追加問題(12問)および2013年1月~2014年6月公開の95問、2015年1月公開の180問、2015年6月~10月公開の180問、2016年2月~2018年10月公開の180問、2019年6月公開の109問、2021年8月公開の171問、合計1277問を翻訳しています。

2.英語と日本語訳を見開きで比較できます。

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3.巻末資料はカラー印刷で収録。

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201601-2

4.着脱可能リングファイル式。

5.6種類のデジタル版参考書を付録CDに収録。

6.デジタル版過去問題集日本語訳2008,2009をプレゼント(PDFフォーマット)

航空管制:LAHSO-Land and Hold Short Operations

ここでは、FAA自家用操縦士学科試験問題の中から、質問の多い問題を解説しています。

今回は、航空交通管制(ATC)のラーソー・オペレーションについての問題です。

 

例題

11 PLT444
Who has final authority to accept or decline any land and hold short (LAHSO) clearance?

A) Pilot in command.
B) Air Traffic Controller.
C) Second in command.

 

着陸後、一旦停止(LAHSO)のクリアランスを承諾するか拒否するかを決める最終的な権限を持つのは機長ですか?航空交通管制官ですか?それとも副操縦士?という質問です。

 

予備知識

LAHSOとは: 航空交通管制(ATC)の手順の一つで、管制塔のある飛行場において、パイロットの参加が求められる。

ATCはパイロットに対し、着陸後、滑走路同士の交差する場所、滑走路と誘導路の交差する場所、または予め設定された滑走路の地点それぞれの手前で一旦停止することを許可することができる。

 

LAHSOの目的: 一本の滑走路を、着陸する航空機、滑走路を横切ってタキシングする航空機、または滑走路途中から離陸する航空機などが同時使用することを可能にし、飛行場の混雑緩和を図る。

 

気象条件:シーリングが最低でも1,000フィート以上あり、視程が3マイル以上あること。

 

LAHSOクリアランスの拒否: 機長(PIC, Pilot In Command)は、LAHSOクリアランスに従って、利用できる滑走路の距離(ALD, Available Landing Distance)内で、安全に着陸停止できる確信がなければ、これを拒否しなければならない。 機長は、LAHSOを承諾または拒否する最終的、完全な権限を持っている。 パイロットがその飛行場のLAHSOについて理解不足てあったり、学生パイロットであったりする場合は、LAHSOを受諾すべきではない。

(注意) ALDデータは、A/FD(Airport/Facility Directory)出版物の特記事項欄に記載されている。

lahso_ops

LAHSO Iin AFD

LAHSOクリアランスを承諾した場合:パイロットはATCから修正クリアランスを受け取らない限りは、従わなければならない。LAHSO承諾後、着陸やり直しが必要となった場合は、他の航空機や車両との安全距離を保ち、出来るだけ速やかにATCに連絡をしなければならない。

ATCがパイロットに対してLAHSOクリアランスを与えたときは、ATCは必ず以下の言葉を復唱しなければならない。

HOLD SHORT OF (RUNWAY/TAXIWAY/POINT)、滑走路、誘導路、または指定ポイントで一時停止しなさい。

 

まとめ

LHASO プログラムは米国以外の国では認められていません。ちょっと間違えると、大事故を引き起こすからです。通常は、1機の飛行機が着陸するときは、他の航空機は滑走路の外で待機しています。着陸する航空機があるときに、滑走路を横切ったり、滑走路の途中から、離陸のために飛行機が進入するのは、見ていてハラハラします。

 

 

 

 

雷雲が近くにある時、航空安全上の判断(Aeronautical Decision Making) その2

ここでは、FAA自家用操縦士学科試験問題の中から、質問の多い問題を解説しています。

 

今回は、前回に引き続き、気象の知識と絡めた、パイロットの判断に関する問題です。一見、前回と同じ問題のようですが、実は違います。

例題

28. PLT271
The destination airport has one runway, 08-26, and the wind is calm. The normal approach in calm wind is a left hand pattern to runway 08. There is no other traffic at the airport. A thunderstorm about 6 miles west is beginning its mature stage, and rain is starting to reach the ground. The pilot decides to

A) depart expecting the thunderstorm to dissipate prior to arrival then land on runway 8.
B) fly an approach to runway 26 since any unexpected winds from the storm will be westerly.
C) delay departure until the thunderstorm has dissipated.

 

目的地の飛行場は08-26の滑走路があり、当日は無風。この飛行場では、風のないときは通常、左回りのトラフィックパターンで滑走路08に着陸することになっている。 飛行場周辺には、他の航空機はいない。

現在、6マイル西に雷雲があり、成熟期の始めを迎えていて、雨が地上に到達し始めた。

このような状況で、パイロットはどのような決断を下すべきか?

 

basic-cloud-types

Basic Cloud Types

 

パイロットの判断

質問は、前回の問題とまったく一緒です。違うのは選択肢で、前回は飛行機は既に目的飛行場の付近にいる設定でしたが、今回は出発前の選択肢が2つ(AとC)あります。

選択肢A:目的飛行場に到達する前に、雷雲が消滅していると期待して出発し、滑走路08に着陸する。

選択肢C:雷雲が消滅するまで出発を遅らせる。

 

選択肢Bは、前回と同じで、当該雷雲由来の突風は西から吹くので滑走路26に進入する。

 

 

 

選択肢Aが問題なのは、いつ、雷雲が消滅するのか確信がないのに出発してしまうところと、滑走路08を選んでしまったところです。もしも、目的飛行場の上空についたとき、雷雲が消滅していなかったとしたら・・・。もしかすると、雷雲が流されて飛行場上空に来ているかもしれません。

 

前回正解だった選択肢B(西風を予測して26に着陸する)ですが、飛行機が着陸する寸前で、雷雲の状況が設問の状態であれば、問題ないかもしれません。しかし、時間が経てば、雷雲の危険性が増す可能性があります。

 

選択肢C(雷雲が消滅するまで出発を遅らせる)が最良の判断です。多くの飛行学校が、規則として採用しているのは正にこれで、飛行場20マイル圏内に雷雲があるときは、飛行中であれば代替飛行場に進路変更する、出発時であれば、雷雲が消滅するまで待機することになっています。

 

まとめ

FAA自家用操縦士学科試験問題では、時々問題の変更が行われています。よく読んで回答するようにしてください。

 

 

 

雷雲が近くにある時、航空安全上の判断(Aeronautical Decision Making) その1

ここでは、FAA自家用操縦士学科試験問題の中から、質問の多い問題を解説しています。

 

今回は、気象の知識と絡めた、パイロットの判断に関する問題です。

例題

28. PLT271 PVT

The destination airport has one runway, 8-26, and the wind is calm. The normal approach in calm wind is a left hand pattern to runway 08. There is no other traffic at the airport. A thunderstorm about 6 miles west is beginning its mature stage, and rain is starting to reach the ground. The pilot decides to

A. fly the pattern to runway 8 since the storm is too far away to affect the wind at the airport.
B. fly the normal pattern to runway 8 since the storm is west and moving north and any unexpected wind will be from the east or southeast toward the storm.
C. fly an approach to runway 26 since any unexpected wind due to the storm will be westerly.

 

目的地の飛行場は08-26の滑走路があり、当日は無風。この飛行場では、風のないときは通常、左回りのトラフィックパターンで滑走路08に着陸することになっている。 飛行場周辺には、他の航空機はいない。

現在、6マイル西に雷雲があり、成熟期の始めを迎えていて、雨が地上に到達し始めた。

このような状況で、パイロットはどのような決断を下すべきか?

 

予備知識

滑走路(Runway)08-26:磁方位で080(東北東)と260(西南西)を向いている1本の滑走路を表している。(Runway Zero Eight, Runway two six)

traffic-pattern-diagram

Traffic Pattern Diagram

トラフィックパターン(Traffic Pattern):滑走路を周回する経路のことで、基本は機長席から滑走路が見やすい左回り(Left Traffic)の長方形パターンで、ダウンウインドレグ、ベースレグ、ファイナルと飛行し着陸します。

 

雷雲の生涯(Life Cycle of a Thunderstorm)

life_cycle_of_a_thunderstorm

Life Cycle of a Thunderstorm

積雲段階(Cumulus Stage):雷雲の発生は、不安定な気塊、水分、上昇気流が必要。この段階では上昇気流が継続し垂直方向に大きく発達する、上昇気流のため、地上に降水はなく、約15分程度で成熟段階となる。

 

成熟期(Mature Stage):積雲段階で発達した雲は、徐々に発達する度合いが小さくなり、内部では下降気流が発生し、地上に雹や雨が降り始める。(成熟期の初期)

垂直方向に発達した雷雲は、緯度により異なるが、40000-60000フィート前後(圏界面)で上昇できなくなり、頂部は水平に広がって、金床状(Anvil Top)になる。(成熟期の終期)

 

消散期(Dissipating Stage): 雷雲の内部では、下降気流が支配的になり、下降気流が地上に到達すると、四方に広がり突風が発生する。(ダウンバースト)

 

パイロットの判断

飛行機が今、どこにいるかで判断は変わります。今回は、目的飛行場の付近と仮定します。(選択肢の内容から)

いまは、雷雲が成熟期の初期で雨が降り始めたところですが、消散期になると、強い下降気流が発生し、雷雲から四方に突風が吹きます。(ダウンバースト)

問題は、いつそれが発生するかということですが、飛行中のパイロットがそれを予測するのは難しいです。

雷雲が飛行場の西側にずっと居てくれると仮定して、突風が吹いてくるのは西方向なのは間違いありません。

滑走路08を使用した時に突風(追い風)が吹くと、飛行機は一巻の終わりです。高度が低ければ、地上に叩き付けられるでしょう。

滑走路26を使用した時に突風(向い風)が吹くと、飛行機は持ち上げられてしまいますが、最悪の事態は避けられるかもしれません。

自分だったら、雷雲が6マイル先でうろうろしているような飛行場は避けて、別の飛行場に行くと思いますが、残念ながら、それは選択肢にはありません。

選択肢の中で仕方なく選ぶとすれば、Cです。出来るだけ速く着陸したいので、トラフィックパターンはこの際無視して、滑走路26に着陸します。そのあと、駐機した飛行機が突風でひっくり返っても、降雹でボコボコに凹んでも、とりあえず、たぶん命だけは助かるでしょう。

選択肢AやBのように、雷雲は遠くにいるので突風は吹かないだろうとか、雷雲は北に移動するだろうとか、風は雷雲方向に吹くので、東か南東方向だろうとか誤った判断をして、悠長にトラフィックパターンを回り、しかも急な追い風が襲ってくる可能性の高い滑走路08に着陸するのは、真っ平ゴメンです。

 

まとめ

大丈夫だろうという考えは捨てて、最悪な事態を予想して行動する。

 

 

 

 

 

TAF (Terminal Aerodrome Forecast)の解読 その2

ここでは、FAA自家用操縦士学科試験問題の中から、質問の多い問題を解説しています。

 

今回は、前回に引き続きTAF(Terminal Aerodrome Forecast)の解読です。

figure15

figure15

 

図15(下半分)

KOKC 051130Z 0512/0618 14008KT 5SM BR BKN030 TEMPO 0513/0516 1 1/2SM BR
FM051600 18010KT P6SM SKC BECMG 0522/0524 20013G20KT 4SM SHRA OVC020
PROB40 0600/0606 2SM TSRA OVC008CB BECMG 0606/0608 21015KT P6SM SCT040=

 

解読例

KOKC (ウイルロジャースワールドエアポート) 05日、協定世界時の11時30分発表 05日12時から06日18時まで有効。風向140度、風速08ノット、視程 5マイル。 BR(もや)。 BKN(雲量・隙間あり5/8-7/8)030(雲底高度3,000フィート)。 TEMPO(05日13時から05日16時の間で一時的に) 視程 1.5マイル。 BR(もや)。
05日16時00分以降、風向 180度、風速10ノット。視程 6マイル以上。 SKC(雲量ゼロ) BECMG(変化し維持する) 05日22時から05日24時の間に、風向 200度13ノット、突風最大で20ノット。 視程4マイル、SHRA(しゅう雨性の雨) OVC(雲量・全天を覆う8/8)020(雲底高度2,000フィート
PROB40(40パーセントの確率で) 06日00時から06日06時、視程 2マイル、TSRA(雷雨) OVC(雲量・全天を覆う8/8)008(雲底高度800フィート)CB (雷雲)。BECMG(変化し維持する) 06日06時から06日08時、 風向210風速15ノット、視程6マイル以上、 SCT(雲量・散在している3/8-4/8)、040(雲底高度4,000フィート)

 

上記解読例の色付き部分のように、雲のない状態から5日の22時から24時の2時間の間にオーバーキャストの雲量で2,000フィートの雲底高度になると予報されています。

 

例題の選択肢Bは、

40パーセントの確率で22時から24時のあいだに600フィートのオーバーキャストになる。

 

選択肢Cは、

200フィートのオーバーキャストが、22時から24時のあいだに400フィートのオーバーキャストになる可能性がある。

 

解答は選択肢のAで、

予報の22時から24時の区切りの間、2,000フィートのオーバーキャストになる。

 

 

まとめ

TAFやMETARなどの気象通報式を解読するためには、たくさんの予備知識が必要ですが、学科試験を受験する段階で、すべての略号を暗記する必要はありません、

大切なのは、このような情報があることを知っていること。どこで情報を得ることが出来るか、また、どのように活用していくかということです。

とりあえずは、学科試験問題の参照例(FAA-CT-8080-2G, Appendix 2, Figure 15)のTAFを解読できるようにしておいてください。

 

 

TAF (Terminal Aerodrome Forecast)の解読 その1

ここでは、FAA自家用操縦士学科試験問題の中から、質問の多い問題を解説しています。

 

今回は、TAF(Terminal Aerodrome Forecast)の解読です。

 

例題
116. PLT072 PVT
(Refer to figure 15.) In the TAF from KOKC, the clear sky becomes
A) overcast at 2,000 feet during the forecast period between 2200Z and 2400Z.
B) overcast at 200 feet with a 40 percent probability of becoming overcast at 600 feet during the forecast period between 2200Z and 2400Z.
C) overcast at 200 feet with the probability of becoming overcast at 400 feet during the forecast period between 2200Z and 2400Z.

 

figure15

figure15

Figure 15

TAF

KMEM 121720Z 1218/1324 20012KT 5SM HZ BKN030 PROB40 2022 1SM TSRA OVC008CB
FM2200 33015G20KT P6SM BKN015 OVC025 PROB40 2202 3SM SHRA
FM0200 35012KT OVC008 PROB40 0205 2SM-RASN BECMG 0608 02008KT BKN012
BECMG 1310/1312 00000KT 3SM BR SKC TEMPO 1212/1214 1/2SM FG
FM131600 VRB06KT P6SM SKC=

KOKC 051130Z 0512/0618 14008KT 5SM BR BKN030 TEMPO 0513/0516 1 1/2SM BR
FM051600 18010KT P6SM SKC BECMG 0522/0524 20013G20KT 4SM SHRA OVC020
PROB40 0600/0606 2SM TSRA OVC008CB BECMG 0606/0608 21015KT P6SM SCT040=

 

図15(TAF:飛行場予報)は上記のように電文形式で配信される予報データです。KOKC (Will Rogers World Airport)において、雲がない状態は、その後どうなるか調べなさいという問題です。

 

予備知識

飛行場予報(Terminal Aerodrome Forecast):飛行場の24時間予報(場所によっては30時間)で1日4回発表される。Amended TAFが発表されることにより有効期限が24時間よりも短くなることがある。

 

協定世界時、UTC(Coordinated Universal Time):Zulu time ともいう。本初子午線(経度0度0分0秒)を基準とした時間。UTC 17時30分の場合、1730Z と表す。

 

風向/風速(Wind):風向は最初の3桁の数字で表す。真北(TN)は000、東は090、南は180、西は270。風速は次の2桁の数字で表す。

例:35010KT=風向350、風速10ノット。  00000kt=風向不定、風速6ノット未満  WND 180V270= 風向180-270の間で不定    20013G20KT=風向200、風速13ノット、突風20ノット

 

 

視程(Visibility):卓越視程(全方位の中で平均的な視程)をマイル表示(Statute Mile)で表している。

例:1 1/2SM=visibility one and one half statute mile=視程 1と2分の1マイル。  P6SM=visibility more than 6 statute miles=視程6マイル以上

 

 

 

雲量(Sky Condition):全天を覆う雲の割合を8分雲量で表している。

SKC(CLR)=雲がない(Sky Clear 0/8)

FEW=少しの(Few 1/8-2/8)

SCT=散在している(Scattered 3/8-4/8)

BKN=隙間あり(Broken 5/8-7/8)

OVC=全天を覆う(Overcast 8/8)

 

 

雲の略号

T=Towering=塔状

CU=Cumulus=積雲

CB=Cumulonimbus=雷雲

 

例: OVC008CB=雲量8/8、雲底800ft、 雷雲   SCT030=雲量3/8-4/8、雲底3,000ft

 

 

 

気象現象(Weather phenomenon)の略号

 

説明群(Descriptor)

BL=Blowing=吹き上げる

DR=Drifting=吹き流される

FZ=Freezing=凍結した

TS=Thunder Storm=雷雨

SH=Shower=しゅう雨

 

 

降水現象(Precipitations):

DZ=Drizzle=霧雨

GR=Hail=雹

RA=Rain=雨

SN=Snow=雪

 

視程障害現象(Obscurations):

BR=Mist=もや

HZ=Haze=煙霧

FG=Fog=霧

FU=Smoke=煙

SA=Sand=砂

 

 

特記事項(Remarks)

BECMG=Becoming=予報期間中に変化が起こり、その後変化が継続する状態

TEMPO=Temporary=予報期間中に1時間以内の変化が1回またはそれ以上発生し、その変化が予報期間中の1/2に満たないで元の状態に戻る状態

PROB=Probability=予報期間中に30-40パーセントの確率で変化が起こりうる状態

FM=From=予報期間中に、FM日時から変化が始まることを表す

 

以上は抜粋です。よく使われるものを列挙しました。

次回は、図15のTAFを解読します。

 

 

 

 

燃料消費量の計算,クルーズパワーセッティング

ここでは、FAA自家用操縦士学科試験問題の中から、質問の多い問題を解説しています。

 

今回は、表を使った予定燃料消費量の求め方を解説します。

 

例題

10. PLT012 PVT
(Refer to figure 35.) What is the expected fuel consumption for a 1,000-nautical mile flight under the following conditions?

Pressure altitude 8,000 ft
Temperature 22 °C
Manifold pressure 20.8 inches Hg
Wind Calm

A) 60.2 gallons.
B) 70.1 gallons.
C) 73.2 gallons.

 

figure35

figure35

 

図35(飛行機のパワーセッティング・テーブル)を使用し、設問の条件下において、1,000nm の距離を飛行する場合、どれくらいの燃料を消費するかという問題です。風は無風です。

 

予備知識

気圧高度(Pressure Altitude):航空機の高度計の規正値を標準値(29.92 inches Hg)に合わせたときに表示される高度。

真対気速度(TAS):航空機とその周りの大気との相対速度。標準大気中で飛行した場合のみ、航空機の対気速度計の指示(IAS)と指示が一致する。無風の場合は、TASと対地速度(GS)は等しくなる。

指示外気温度(IOAT):航空機の機外に設けられた温度センサーによって指示される温度。

吸気管圧力(Manifold Pressure):エンジンとキャブレーター(スロットルボデー)の間にあるインテーク・マニフォールドの圧力。エンジンの回転が増加すると低くなり、スロットルを開くと高くなる。

燃料消費率(GPH):1時間当たり何ガロン消費するかを表したもの。

 

問題の解き方

1.図35から気圧高度8,000ft、IOAT 22℃、吸気管圧力20.8 inches Hgの条件に一致するところを探す。

2.一致しているところのGPHおよびTAS(KTS)を記録する。

3.求めたTAS(KTS)で1,000nm飛行した場合の所要時間を計算する。

4.所要時間にGPHを乗じる。

注意

必ず単位をそろえること。表中、TASはKTS(Knots)とMPHがありますが、今回の問題では、距離はnm(nautical mile)を使用しているのでKTSを使用して計算します。

図35の表は、大きく3つに分かれています。標準大気(International Standard Atmosphere:標準海面において15℃)が中心にあり、左側が標準より20℃低い温度(-5℃)、右側が標準より20℃高い温度(35℃)の場合です。 

所要時間や燃料消費量を計算する場合は、フライトコンピューターを使用します。今回は持っていない方のために、筆算で行います。

 

手順

1.表から、GPHおよびTAS(KTS)を求める。右側の表(ISA+20℃)で気圧高度8,000ftの場所では、IOAT 22℃、MAN.PRESS 20.8 in HG、GPH 11.5、TAS 164KTSとなっています。

ISA 20c@8,000ft

ISA 20c@8,000ft

2.TAS 164KTSで1,000nmを飛行する場合の所要時間は、1,000/164=約6.1時間(6 時間 6分)

3.燃料消費率 GPH 11.5 で6.098時間飛行すると、予定使用燃料は、11.5 x 6.097= 約70.1 gal

まとめ

速度=距離/時間の公式を使用するか、フライトコンピューターを使用します。練習のために、フライトコンピューターを使用することをお勧めします。